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2017/03/10

鳴門渦潮第5回卒業式

Tweet ThisSend to Facebook | by:中田 寛志

卒業式当日
式辞 
                                          

 世界に誇る「鳴門の渦潮」が最も雄大な姿を見せる季節になり、「おもてなしの心」の始まりの地となる「四国遍路」にも春の気配を感じる今日の佳き日に「徳島県立鳴門渦潮高等学校 第5回 卒業証書授与式を挙行するにあたり、PTA代表 下(しも)込(ごみ)明美様、鳴潮会会長 川田 修(おさむ)様、学校評議員 秋山敬子(ゆきこ)様をはじめ、多数のご来賓・保護者の皆さまのご臨席を賜り誠にありがとうございます。卒業生の輝く前途を祝福し、激励いただけますことは卒業生はもとより、在校生・教職員一同この上ない喜びであり、心から厚くお礼申し上げます。


  ただ今、スポーツ科学科39名、総合学科161名、計200名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。ご卒業おめでとうございます。心より祝福いたします。また、これまで深い愛情をお子様に注ぎ、慈(いつく)しんでこられた保護者の皆さまにおかれましては、今日の日を迎えて、感慨もひとしおのことと拝察いたします。
 
 世界では、人間の尊厳を踏みにじる戦争やテロ、想像を絶する自然災害、経済状況の悪化による餓死、自殺など厳しい現実で生きている人々がいます。国内においても、少子高齢化、グローバル化等が急速に進行する中で、地方創生への取り組みや格差社会の是正、東日本大震災・熊本地震の被災地復興など課題が山積しています。

 このような情勢の中で、夢や希望、愛情をもって、勇気や感動、命の喜びを伝えている人はたくさんいます。大震災の時、いち早く被災地に駆けつけ救援活動を徹夜でし続けてくれた世界各国の救援部隊の方々、自衛隊や警察、NGOやNPOのボランティアを献身的にする人々には頭が下がる思いでした。高校生も含む多くの人たちが、今も継続的に被災地での活動を続けています。あらためて、友情と勇気の尊さを教えられました。


 今も、復興への道のりは険しい中、私の高校時代の親友は福島に建築関係の仕事をしながら支援活動に参加しています。「まずは、見に来い」という彼の思いに答え、近いうちに行く予定です。新聞やテレビではわからない事もたくさんあると思い、肌で感じて「今」自分にできることを再確認しようと考えています。


 また、昨年は、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックがありました。本県出身のバドミントンダブルスで最後まで諦めない強い心を見せてくれた金メダルの松友美(み)佐(さ)紀(き)選手、日本人の良さである緻密さとこだわりの徹底で史上初の銀メダルに輝いた陸上競技男子400mリレー、本県出身のパラリンピック柔道において不屈の闘志で復活し銅メダルを獲得した藤本聡(さとし)さんなど、テレビの映像に引き込まれ感動し涙した人も多かったと思います。ノーベル賞でも大(おお)隅(すみ)良(よし)典(のり)栄誉教授がオートファジーの仕組みの解明でノーベル医学・生理学賞を受賞されました。「流行でなく面白いことをやる」という言葉に多大な勇気をもらいました。ノーベル文学賞では、歌手で初めてボブ・ディランが受賞しています。その人たちの苦悩と努力があるからこそ感動し、尊敬し、胸が熱くなるのだと思います。皆さんの中にも、感動や優しさを与えてくれた人もたくさんいました。そして、周りの人の行動や環境を良くしていきました。

 
   友と語らい楽しかった修学旅行やスキー実習、「Parfect human」がテーマの渦高祭、緊張と不安の課題研究発表会、同じ目標に向かって喜びも悔しさも共に味わった部活動、大学受験のために主体的に取り組んだ個別補習、挨拶運動や清掃活動など周りを笑顔にしてくれたボランティア活動など、たくさんの思いを後輩たちに残してくれました。そのような皆さんが、私の誇りです。新しい船出に向けて、大きな帆を高らかに挙げて大海原に漕ぎ出でて、胸を張って突き進んでいく皆さんの姿を想像します。今まさに、本校で培ってきた校訓の「自主・至誠・躍進」の心をオールに込めて、真っ正直に、一途に、何も恐れず漕ぎ進んで行ってください。

 
 人生は、大海を渡る一人の漕ぎ手に委ねられています。
 これからも、私たち教職員、保護者全員で君たちの帆に追い風を送り続けます。真正面や、横からの風には今までの知識や経験を生かし、試行錯誤しながら前に進んでいってください。疲れたときには、休むことも必要です。その時は、渦潮高校という港に寄ってください。待っています。

 
   最後に餞の言葉としてとして「希望と辛抱」を贈ります。これからの皆さんの未来は、希望に満ちて燦々と光り輝いています。自分の最初の思いどおりの進路の人もそうでなかった人もいます。思い描いたイメージ通りの進路であっても、将来は途中思いどおりでないときもあります。しかし、今、君たちは、悩んだり相談したり努力する中で、最終的には自分で決めました。自分で決めた後は、これから進むステージで誠心誠意、一所懸命に頑張ることが大切です。そのことで、次の夢や目標が必ず膨らんできます。与えられたところで頑張るとは、辛抱が必要です。あの大接戦のゲームで勝利した時、流れが変わるまで我慢強く「辛抱」しプレッシャーをかけ続けた時のように頑張るのです。そうすることで、また「希望」が見えてきます。「希望」のない人生ほどつまらないものはありません。「希望」がある人生を送るためにも、辛抱しどころがあると言うことを覚えておいてください。
 
 結びになりましたが、ご来賓・保護者の皆さま、これまで本校教育の為に多大なご尽力とご支援を賜りまして、誠にありがとうございました。「鳴門渦潮高校」の卒業生として、すべての皆さんが誇りと自信をもって社会や人のために貢献できる人となり、幸多き人生を送ることを祈念して式辞といたします。


              平成29年3月1日
                               徳島県立鳴門渦潮高等学校長  中田 寛志


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