スポーツの未来を切り拓く「トレーニング支援」と「データサイエンス」
2026年2月26日 09時51分令和8年2月25日、びわこ成蹊スポーツ大学スポーツイノベーション研究所 研究員/准教授吉川 文人先生をお招きし、「トレーニング支援の現状と将来」をテーマに、健康スポーツを学ぶ生徒たちへ向けてご講演いただきました。
1. 選手を支える「共にある」精神:アントラージュ
講演の冒頭、東京オリンピックのモットーに「共に(Together)」が加えられたことが紹介されました。トレーニング支援とは、単に選手を強くするだけでなく、コーチ、家族、トレーナー、アナリストなど、選手を取り巻く「アントラージュ(支援者)」が一体となって支える活動全体を指します。スポーツの価値は、選手自身の達成感だけでなく、それを支え、応援する人々の感動や貢献感を含めて高まっていくものであると説かれました。
2. 多角化する支援の役割
トレーニング支援の具体的な内容は、多岐にわたります。
- 技術的支援: 動作の改善やフォーム指導、効果的なトレーニング計画の策定。
- 戦術的支援: 試合分析を通じた戦略立案。
- メンタル支援: モチベーションの維持や心のケア。
支援者には、目標設定からピーキング(試合に合わせたコンディション調整)、組織マネジメント、さらには事故への応急処置まで、幅広い機能と役割が求められます。
3. スポーツ×データサイエンス:客観的な裏付けの重要性
これからのスポーツ現場では、指導者の経験や勘だけでなく、**「科学的なエビデンス(証拠)」に基づいた指導が不可欠になります。
- 勝敗要因の可視化: 経験値を客観的なデータで裏付け、何が勝敗に影響しているのかを分析する力が必要です。
- データサイエンスの3要素: 「データ処理」「データ分析」「領域知識(スポーツ科学の知見)による価値創造」の3つを掛け合わせることが求められています。
講演では、講師自らが生成AIを活用して開発した「跳び箱の動作解析アプリ」のデモンストレーションも行われました。カメラ映像から手をついた瞬間の加速速度を自動抽出し、動きを可視化する技術に、生徒たちは驚きの声を上げていました。
4. 未来を担う生徒たちへのメッセージ
講師の先生は、ご自身の経歴(体育学から工学への転学)を交えながら、「可能性は自分次第でいくらでも広がる」と語りかけました。 現在はAIやテクノロジーの進化により、開発のハードルが下がっています。これからの時代、スポーツの専門知識に加え、情報を利活用するスキルを磨くことで、新たな価値を生み出せる人材になってほしいという熱いエールで講演は締めくくられました。