職員研修会
2025年7月30日 21時38分はじめに
これからの社会を生き抜く子どもたちに必要な力とは何でしょうか? 複雑化する現代社会において、単なる知識の習得だけでは不十分です。私たちは今、教育のあり方を根本から見つめ直す転換期に立っています。この度、政府の教育関連委員会の要職を歴任され、全国各地で教育改革の旗振り役を担っておられる藤村先生をお招きし、教育改革とICT(情報通信技術)の活用について、7月9日に鳴門教育大学 特命教授 藤村祐一 先生にご講演いただきました。
社会課題と教育の役割
講演の冒頭で藤村先生は、日本の労働生産性の低迷や国際競争力の低下といった喫緊の社会課題に言及されました。これらの課題を克服し、未来を創造するためには、既存の枠組みにとらわれない新しい発想や、未知の課題に立ち向かう力が不可欠です。先生は、このような力を育むことこそが、これからの教育に課せられた使命だと力強く語られました。
GIGAスクール構想が拓く新たな学び
「知識を教える授業」から「知識を活用する学び」へ。教育の主軸は、今、大きくシフトしています。その原動力となっているのが、児童生徒に1人1台の学習用端末と高速ネットワーク環境を整備する「GIGAスクール構想」です。先生は、この構想を最大限に活かすことで、子どもたちが自ら問いを立て、解決策を導き出す「探究型学習」や、一人ひとりの進度や興味に応じた「個別最適な学び」が可能になると強調されました。
主体的な学びと教師の役割
「学びの主役は子どもたちです」と先生は続けます。探究学習や個別最適な学びを通じて、子どもたちは受け身ではなく、自ら学ぶ主体性を育んでいきます。これに伴い、教師の役割も大きく変化します。単に知識を伝えるだけの存在ではなく、子どもたちの学びに伴走し、探究のプロセスを支援するファシリテーターとしての役割がますます重要になります。講演では、実際にICTを活用した先進的な学校の事例が紹介され、活き活きと学ぶ子どもたちの姿や、新しい役割に挑戦する先生方の様子が伝えられました。
まとめ
藤村先生は、これからの時代を生き抜く子どもたちには、情報活用能力や問題発見・解決能力が不可欠であると説かれました。私たちは、教育改革とICT活用を両輪とし、子どもたちが未来を自ら切り拓く力を育むための環境づくりを、今後も推進していきます。